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ホーム温泉を楽しむための基礎知識三大温泉あれこれ

三大温泉あれこれ

 日本の三大温泉。実はこれ、何を基準にするかで、様々な三大温泉が存在するのです。  源泉数の多さで見ていくと、大分の別府温泉、同じく大分・湯布院温泉、静岡の伊東温泉となります。県別で見ると、1位2位の温泉地である大分がもちろんもっとも多くの源泉数となり、次が鹿児島、静岡の順になっています。温泉噴出量で見ると、こちらも別府温泉が一位。ついで湯布院、岐阜の奥飛騨温泉となります。ただし、自噴量で見ると、群馬の草津温泉が最も多くなっています。標高の高さ、ベスト3は、富山のみくりが池温泉、同じく富山の地獄谷温泉、長野の本沢温泉となっています。ただし、長野の本沢温泉は、露天風呂としては日本一の標高になります。

 次は古い温泉です。日本の三古湯ですね。愛媛の道後温泉、兵庫の有馬温泉、和歌山の白浜温泉の3つです。古事記、日本書紀などに登場するもので、記録が古いという意味で三古湯と呼ばれています。その中でも最も古いといわれているのは、道後温泉。道後温泉と有馬温泉は、神代の時代、白浜温泉は大化改新の少し後の頃に記録があります。
 なお、平安時代に編纂された、延喜式では、道後温泉、有馬温泉、福島のいわき湯本温泉が日本三古泉となっていて、道後温泉、有馬温泉は別格として、他にも最古争いに加わる温泉地は複数あり、3位争いは熾烈なようです。

 次は名湯を見ていきましょう。平安時代、清少納言によって書かれた枕草子。その中に「湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯」とあり、これを三名湯としています。有馬温泉は兵庫、ななくりの湯は三重の榊原温泉、玉造温泉は島根です。ただしこれは能因本によるもので、前田本の場合はななくりの湯、有馬の湯、那須の湯、つかまの湯、ともの湯の五つになっています。当時は写本ですから、削除や挿入があった箇所のようで、現代語訳を読むとこの清少納言の三名湯については訳されていないものが多くなっています。
 もう一つ、三名湯を紹介しているものに、室町時代の万里集九「梅花無尽蔵」、江戸時代の林羅山「林羅山詩集」では、摂津の有馬、 上州の草津、飛騨の湯島を紹介しています。摂津の有馬は兵庫、上州の草津は群馬、飛騨の湯島は岐阜の下呂温泉です。
 その他には、三大秘湯として、北海道のニセコ薬師温泉、青森の谷地温泉、徳島の祖谷温泉。
三大温泉街として、大分別府、静岡熱海、神奈川箱根。日本三大美人の湯や日本三大薬泉などもあり、そもそも出典が不明の三大温泉がたくさんあります。当然ではありますが、様々な視点から日本一、三大温泉、ベストスリーを名乗る温泉地は数多くあるのです。昔からある、有名どころの温泉はたいてい三大○○に入っていますから、何を名乗っているのかもちょっとした温泉の楽しみ方の一つです。

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