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日本の温泉の歴史
日本人はいつごろから温泉を利用していたのでしょうか。日本で最も古い文献といわれている「古事記」の時代には、すでに温泉が登場していましたから、実際に利用していたのはそれより前のことになるはずです。実際に古事記などの古い文献に登場している道後温泉の開湯は、縄文時代と言われています。これは実際に発掘された遺跡から、温泉を利用した形跡が見つかったことがその根拠になっています。今から、3,000年ほど昔の事ですね。
神代から、平安時代頃までは、温泉は一種の信仰の対象でもありました。湯治場として利用されていた記録もありますから、病を治してくれる場所として大事にされていたのです。
戦国時代になると、温泉は効能を重視したものになっていきます。入浴の習慣が広まり、温泉街も徐々に作られ始めます。とはいえ、この頃はまだ、温泉は庶民のものではありませんでした。そして温泉が大ブームになったのは江戸時代です。温泉の管理は藩が行い、湯治客は湯税と呼ばれるお金を支払うようになります。今の温泉システムの原型が作られたのは、江戸時代のことになります。
江戸時代の温泉は、そのほとんどが自噴した温泉を利用したものでした。掘削技術に限界があり、深く掘ることができなかったからです。それが明治時代に入り、ボーリング技術の原型ともいえる上総掘りという技術が生まれると、どんどん温泉は増えていくことになります。この掘削で多くの温泉が活用できるようになり、温泉は湯治だけでなく、観光の一種になってきました。日本の大事な資源になって行きます。その後も技術の進歩によって、今では当たり前のように利用しているお気に入りの温泉が、いつから利用されてきたものなのか、調べてみるのもきっと楽しいですよ。